ボールの回転数 のこと
野球中継を見ていると、解説者がいつも口にする「球のキレ」。
当たり前に使われていますが、素人にとっては専門用語なので始めは何かわかりませんよね。ちなみに辞書的な意味では、「キレがある」とは「感覚、感度が鋭いこと」をいいます。
回転数とは
その名の通り、単位時間当たりで何度同じ回転を繰り返したかを表したものです。
1分間当たりの回転数はrpm(revolution per minute)という単位が使われます。
回転数の重要性
投げるボールにはバックスピン(進行方向と逆の回転)がかかり、これがボールに揚力を与え、下向きに落ちようとする重力に相反し浮きあがって進むことになります。これは「マグヌス効果」といわれる現象です。
そのため回転数が多い(切れがある)ストレートは
・ピッチャーの手を離れてからバッターに届くまでの速度差が小さい
⇒球速以上に速く感じる
(例えば130km台前半でも140kmを超えているように感じる etc)
・ボールが手元で落ちてこない(ホップする)
⇒バットがボールの下に当たりジャストミートしない
(例えばバットがボールの下をこすりフライになりやすい etc)
以上のような効果があり、ピッチャーにとってはメリットとなります。
回転数の平均
日本プロ野球でピッチャーのボール回転数の平均は約37(回/秒)、すなわち約2200(回/分)といわれています。(~The Super Sports XEBIO online store ホームページより)
ちなみに2006年に放送された番組では、
松阪投手が41(回/秒)、クルーン投手が43(回/秒)で、何と藤川投手は45(回/秒)という驚異的な数字であることがわかりました。
(~TV朝日 報道ステーション「”プロ野球は死なず” ストレートという名の魔球」2006/11/23 より)
上記3投手ともボールのスピードが速く、かつ回転数が多いということなので、非常に良いピッチャーだといえます。
扇風機は...
身近なもので回転が目に見えるものといったら、やはり扇風機。
1分当たりの回転数(rpm)にするとおおよそ以下のようになるそうです。
・風速が弱 ⇒ 500~ 600
・風速が中 ⇒ 900~1000
・風速が強 ⇒1300~1400
上記で挙げた藤川投手のrpmは約2700になるので、なんと風速が強の扇風機の倍以上の回転数。そう考えると凄すぎます...